英国の紙流通業界において、サステナビリティの分野をけん引し続けているのがPremier Paper Group(以下、PPG)だ。同社は2011年に独自の環境プログラム「Carbon Capture®」を開始。2019年に日本紙パルプ商事グループの一員となってからは、その取り組みをさらに進化させている。現在、この戦略のかじ取りを担うのが、フセイン・イスマイルだ。営業、マーケティングとキャリアを積み、同社のサステナブル経営の改革を進めてきたイスマイルは、今、新たなステージを見据えている。

マーケティングディレクター(英国、アイルランド担当)
カスタマーサクセスディレクター
顧客との関係を深める、独自の環境貢献プログラム
「Carbon Capture®」は、紙の製造・流通過程で発生する温室効果ガス(以下GHG)を、英国の森林保全団体「Woodland Trust」への寄付を通じて相殺する画期的な仕組みだ。顧客は紙の購入を通じて、植林や森林再生に直接貢献できる。長年このプログラムの責任者を務めるイスマイルの使命は、Carbon Capture®」の活動をさらに拡大することで、英国紙流通業界におけるサステナビリティ分野をリードしていくこと。現在、注力しているのが「デジタル化」である。GHG排出量の算定といった複雑な業務を自動化し、顧客が専用ポータルサイトから証明書や最新情報に即座にアクセスできる環境を整え、サステナブル経営と利便性を両立する取り組みを始めている。また、企業のESGに関する取り組みを評価するEcoVadisの評価プロセスを活用し、人権や持続可能な調達といった広範な視点で事業運営を絶えず見直している。「現状維持に甘んじない改善こそが、長期的な信頼の基盤になる」と、イスマイルは確信している。
環境負荷を低減する取り組みによって顧客の事業に付加価値をもたらし、ロイヤルティを高めていく。顧客と共に歩むその姿勢は、実に日本紙パルプ商事グループらしいアプローチといえる。
グループシナジーを活かし、環境保全の新たな領域へ
2019年の日本紙パルプ商事グループへの加入は、PPGにとって大きな転換点となった。グローバルな組織の一員として活動を共有することは、英国国内のプロジェクトを発展させる大きな原動力となっている。「グループ全体でサステナビリティを核に据えた活動を共有できることは、私自身にとっても大きな刺激になりました(イスマイル)」現在、PPGは自社のGHG排出量削減にも注力している。複数拠点へのソーラーパネル設置や、全拠点での電気自動車用充電施設の供用など、具体的かつスピーディーな施策を展開中だ。毎年、厳格な数値を本社へ報告するプロセスが、社員一人ひとりのコミットメントをさらに高めている。
今後は「Carbon Capture®」で培った10年以上のノウハウを活かし、顧客が自社の事業活動全体から発生するGHG排出量を相殺できるような、新たなサービスの提供も目指している。既存のビジネスの枠を超え、社会に資する新たな価値を模索し続ける姿は、まさに日本紙パルプ商事グループが掲げるシナジーの体現である。

成功のさらに先へ。英国紙流通業界のサステナブル経営をリード
PPGの取り組みは、着実に成果を積み上げている。2011年に「Carbon Capture®」を開始して以来、参加企業は累計600社を超えた。2025年末には寄付総額が237万ポンド(約4.5億円)を突破し、植樹された苗木は約57万本に達する。これらの木々の成長により、将来的に約132,000トンのGHG吸収が期待されている。「英国紙流通業界のリーダーとして、サステナビリティの面でも卓越した企業であり続けたい」イスマイルは情熱を持ってそう語る。環境への負荷低減を「見える化」し、顧客と共に持続可能な未来を創り出す。成功のさらに先へーー英国の豊かで美しい森を次世代へつなぐPPG、そして日本紙パルプ商事グループの挑戦は、これからも続いていく。
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植樹イベントにて顧客と共に苗木を植える様子 -
PPGはこれからも豊かで美しい自然を次世代へつなぐための活動を続けていきます
catch up | 寄付額237万ポンド、植樹57万本。英国の森を育む環境保全活動「Carbon Capture®」
Carbon Capture® は、PPGが展開する、紙の製造・流通過程で発生するCO₂を英国の森林保全団体「Woodland Trust」への寄付によって相殺する環境貢献プログラム。紙の購入量に応じて拠出される寄付金は、植林や森林再生などの活動に直接充てられ、政府公認スキームである「UKWoodland Carbon Code」に基づき、長期的な温室効果ガス(GHG)排出削減効果が保証されている。
この仕組みにより、顧客はPPGから購入した製品の製造・流通で発生したGHG排出量を正確に把握し、それを実質的に相殺することが可能で環境への負荷低減を“見える化”できる点が、大きな特徴。

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[掲載日] 2026年4月27日







