招待状に席次表、席札など、
結婚式ではたくさんのペーパーアイテムを使用する。
通常はプロ任せにするそれらを
オリジナルデザインで手作りする人が増えている。
結婚式という晴れ舞台で、自分らしいオリジナリティあふれる演出をしたいと考える人は多い。花嫁みずからウェディングドレスを手作りするといった行為もその一つだろう。
そこで、もっと気軽で出席者に直接アピールする演出として、招待状や席次表、席札などのペーパーアイテムを手作りするという方法がある。家庭用のプリンターがあれば、出席者のネーム入れや招待状などの文面もきれいに印刷できるとあって、決してハードルの高い試みではない。
しかし利用する場が場だけに、仕上がりには華やかさや高級感が求められる。そのための素材や道具をどうやって手に入れるかが、当事者の悩みどころではないだろうか。
そうしたニーズに応えるのが株式会社山忠(新潟市中央区)の展開するショップ「紙図鑑」である。和洋さまざまなテイストの紙を中心に、優雅な印象のイラストスタンプやエンボスを付ける道具、紙に穴を空けるクラフトパンチなどを取り揃え、晴れやかな場にふさわしいペーパーアイテムの制作を応援している。
同社は日頃、印刷会社やデザイナーなどのプロ向けに用紙・紙製品を販売しているが、1992年にオープンしたショールームにウェディングアイテムを手作りするための紙を探しに来る一般客が増えたため、その対応にも力を入れるようになった。
2001年ごろにショールーム内にウェディングアイテム専用のコーナーを作り、2003年には専用のホームページも立ち上げて、全国に向けて通信販売を開始した。いまではサイトの1日のアクセス数が約350カウント、発注数が10件前後と、安定した需要がある。
一口にウェディング向けといっても、利用客の好みはさまざまだ。「パール調の紙がほしい」「和風を感じさせるもの」「紺色や茶色などシックで深みのある色の紙を」などと、顧客は思い思いの好みを伝えてくる。その紙で作られるペーパーアイテムも、作り手のアイデアが存分に発揮された個性あふれるものばかりだ。
「何種類もの和風の紙を揃えて十二単(じゅうにひとえ)風のアイテムを作った方もいらっしゃいますし、パスポートを模した招待状と、飛行機の搭乗チケット風のゲストカードをセットにして作られた方もいらっしゃいます。手作りするからには既存のペーパーアイテムにない、オリジナリティの強いものにしたいということなのでしょうね」(紙図鑑スタッフ・井上義夫さん)
挙式後、紙図鑑に寄せられた顧客の声としては、「二人で相談し合って作ったのが楽しかった」「両親や出席者に感謝の気持ちを込めながら作った」「手作りしたことがよい思い出になった」などなど、満足げな様子がうかがえるものばかり。
結婚式の小物にこだわるのは女性の特性であるかのように思われがちだが、紙図鑑を訪れる利用客のうち半数はカップルだという。男性も臆せず挙式準備に加われるようになったのは、一つは時代の変化、そしてもう一つは紙という工作感覚で扱える馴染み深い素材のなせる技なのだろう。
ライター 石田 純子
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