環境配慮と循環型モデルを軸に、社会と暮らしを支える
当社グループは、古紙を原料とする段ボール原紙、印刷用紙、 家庭紙の製造事業を展開しています。なかでも家庭紙事業では、国内大手のコアレックスグループが再生トイレットペーパーなどの家庭紙の安定供給体制を構築し、循環型社会の実現に寄与しています。段ボール事業では、原紙・ケースの生産設備への投資や、段ボールケース製造会社の新たなグループ会社化などにより、多様なニーズに対応する生産体制の構築に注力しています。
グループ内での原料調達・製造・販売のサプライチェーンの最適化に努めるとともに、セグメント全体において、生産効率の向上によるCO2排出量の削減や、一層の競争力強化を進めています。
再生家庭紙事業を担うコアレックスグループは、国内でも有数の古紙再生処理技術と、芯なしトイレットロールなどの独自製品を生み出す開発力を持ち、100%古紙パルプを使用した家庭紙を安定供給しています。再資源化が難しいトイレットロールやティッシュペーパーだからこそ、循環可能な原料でつくる意義は大きく、当社グループの環境貢献を象徴する事業となっています。
段ボール事業においては、生産設備への投資や段ボールケース製造会社の新たなグループ会社化を通じ、多様化する物流・製造現場のニーズに応える供給体制を強化。印刷用紙・段ボール原紙事業でも古紙利用の拡大に加え、バイオマスボイラーや再生可能エネルギーの導入など、環境に配慮した生産体制の構築を進めています。段ボールケース製造分野においては、国内では美鈴紙業・大阪紙器工業・昭和包装工業が地域に根差した供給拠点として事業を展開、海外でもインドネシアの Oriental Asahi JP Carton Box が同国の段ボール需要に対応するとともに、廃材を再利用した段ボールパレットの生産などサステナビリティに資する事業を推進。原料調達から製造・販売までをグループ内で一貫して行うことで、サプライチェーン全体の最適化と安定供給を実現しています。
OVOL中期経営計画2026においては、地球環境保全への積極的な取り組みと、安定収益基盤の構築をセグメント方針に掲げ、段ボール事業では、フル操業・フル販売体制の実現に向け、調達力と設備管理体制を強化し、収益規模の拡大を図っています。再生家庭紙事業では、コアレックスグループの技術力とブランド基盤を活かしつつ、アライアンスによる調達ネットワークの拡大、広告・イベントなどのブランディング施策、新商品の開発を進め、ブランド力向上と販売拡大を目指します。
さらに、CO₂削減や省力化に寄与する設備投資、DXを活用した業務改革を推進し、生産効率と環境性能の両立を実現するとともに、製造現場を支える専門性の高い人材を継続的に確保・育成することで、事業を安定的に発展させるための人的資本強化にも取り組んでいます。
これらの取り組みを通じ、当社グループは持続可能な社会の実現に寄与するとともに、環境配慮型製品の安定供給と収益基盤の強化を進めてまいります。
日本紙パルプ商事グループでは、グループ企業理念にて使命として掲げている「社会と地球環境のよりよい未来を拓くこと」の実現に向け、循環型社会の構築を目指し、事業を展開しています。製紙原料として重要性が増す古紙の再資源化事業と、原料に古紙を使用する製紙事業が連携して「資源の循環」に貢献する一方、「エネルギーの循環」では、再生可能エネルギーによる発電事業を進めています。