日本紙パルプ商事株式会社は、このたび、ナカバヤシ株式会社が設立する木質バイオマス発電事業会社(*1)に出資し、同事業に参画いたします。
紙の流通を担う当社は、1970年代より古紙の再資源化事業に本格的に取り組み、近年においては、資源・環境事業を重点事業分野として位置付けて、古紙およびプラスチック系・木質系廃棄物のリサイクル事業の拡充や、古紙を利用した家庭紙製造事業への参画などを図ってまいりました。
また、再生可能エネルギーの分野におきましては、2007年より自社グループ内の製紙会社へのエネルギー供給を主な目的としたバイオマス発電事業を開始しております。
東日本大震災以降、わが国では、原子力発電所のほとんどが停止し、それに替わる安全で環境負荷の低い、エネルギー供給体制の構築が求められております。
そうした状況を踏まえ、当社といたしましては、太陽光発電事業への進出を図るとともに(*2)、バイオマス発電分野においても事業を拡充すべく、当事業への参画を決定した次第です。
当社は今後も、社会の要請に応える資源・環境関連事業を、当社グループ内にとどまることなく、取引先をはじめとするグループ外の企業や自治体との連携のもとに、幅広く推進していきたいと考えております。
今回参画いたしましたバイオマス発電事業の年間総発電量は約4,342万kwhを見込んでおり、再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用して、全量電力会社へ売電する予定です。また発電以外にも、間伐材を使用した製品の開発や、ボイラーから排出される焼却灰の有効活用のために研究開発を進め、資源の有効活用をさらに発展させていく予定です。
■当社が出資する新会社概要
施設名称 | 松江バイオマス発電株式会社 |
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所在地 | 島根県松江市大井町899番地7(島根ナカバヤシ松江工場 敷地内) |
資本金 | 4億円(出資比率:ナカバヤシ55%、日本紙パルプ商事40%、三光5%) |
使用燃料 | 間伐材、林地残材の未使用木材や製材残材など 年間約8万8千トン (島根県産材料約75%(国産由来の木質材料として計90%以上)) |
燃料調達先 | 島根県素材流通協同組合(森林組合や木材チップ製造事業者等の団体)、他 |
主要設備 | 流動層ボイラー、蒸気タービン発電機 |
発電出力 | 約6,250kw |
年間発電量 | 約4,342万kwh (一般家庭約12,000世帯分の年間使用電力に相当) |
事業内容 | 木質バイオマス発電、焼却灰の再利用研究 |
売電収入見込額 | 約13億円 |
投資額 | 約30億円 |
稼働予定日 | 2015年4月 |
本件に関する問合せ
企画本部 新事業開発課 青山 泰司(TEL 03-3534-8522)