BUSINESS STORY #01傾聴と相手目線で、差をつける

差別化のポイント

紙が持つさまざまな機能の一つに「情報伝達」がある。文字通り、情報を伝える際に使用されており、私たちの日常でもよく目にする用途だ。T.H.は、卸商・印刷営業本部 印刷直需部 印刷直需一課に所属する、情報伝達を目的としたチラシやカタログ用の紙のプロフェッショナルだ。ペーパーレスの影響が大きい分野だが、私たちの生活を根幹から支えており、デジタルとの共存が今後のポイントとなる商材である。また、印刷直需部は印刷用紙の取り扱いがメインではあるものの、新規商売の拡販に重きを置いている部署であり、お客様のニーズに合わせ、幅広い商材を取り扱っている点も大きな特徴だ。

一般的に、チラシやカタログ用途の紙は特抄品(オーダーメイド品)ではなく、多くの製紙メーカーが製造している汎用品が使用されるため、メーカーの違いによる品質の差は生まれにくい。そのため、他社との競合となった際は、何が大きなポイントになるか。それは、情報収集力と安定供給力の2点だ。

「想像しづらい面もあると思いますが、お客様から求められた紙を安定的に供給するには、沢山の壁があります。製紙メーカーの事情により生産が一時的に止まることや、価格の変更、時には商品が廃番になることもあります。また、お客様から『明日納品してほしい』といった要望も突然入ってくるなど、仕入先と販売先の板挟みにあう中、柔軟な対応力が求められます。」

さまざまな状況や事情がある中でどのような対応ができるかが、他社との差別化に繋がるとT.H.は考えている。当社は創業の1845年から培ってきたノウハウと信頼に基づき、日本国内の紙流通において情報・供給ネットワークに大きな強みがあることから、最新の情報に基づいた提案と、盤石な物流網による安定した製品供給が可能だ。また独立系専門商社の中立性を活かし、多くの製紙メーカーとの取引を行っている。結果、さまざまなトラブルや要望に対しても、選択肢を幅広く持つことで柔軟に対応でき、「日本紙パルプ商事であれば、困った時でも対応してくれる」という信頼の獲得に繋がっている。

新規案件の受注

国内の市場は縮小傾向にあるが、直近での大きな成果の一つとして、大手小売業向けの折り込み広告受注がT.H.の記憶に新しい。

「これまで取引がなかった新規のお客様へ、営業 を開始しました。実績がない中での訪問だったため、まずはお客様にとってメリットのある会話をすることに、焦点を当てていました。」

徹底的に相手目線に立ち、先方が求めている情報の定期的な提供や、メリットがありそうな新規商材の提案を重ね、足しげく通ったT.H.。実直な営業活動は実を結び、ついに小規模地区での入札案件に参加することができた。

「初回の取引となるため、お客様はいきなり大口の注文は行いません。また、私たちの提示する製品の価格や安定供給力を厳しく見られます。だからこそ、訪問時に傾聴を重ね、欲しているであろう価格帯や供給時に想定される課題などを事前に整理しました。」

入札形式では、他社より優位性のある提案をいかにまとめ上げられるがポイントだ。T.H.としては、顧客目線に立った提案を行いたいが、一方製紙メーカー側は印刷用紙の需要減少に伴い、抄造機を減らすことで機械の稼働率を高めているため、新たな注文を受けづらい事情があった。

当社・製紙メーカー・顧客の事情が三者三様の中、T.H.は供給元となるメーカーへの折衝を重ね、生産枠の確保に成功。他社との競合を制し、初受注に繋げることができた。実際に取引が始まると、当社のリソースを活かした供給力が高く評価され、現在はより大規模な折り込み広告やカタログにまで取引が拡大している。

相手目線を貫く

T.H.が考える仕事に求められる力、描く未来は何か。

「仕事に取り組む上で最も大切なのは、話を聞く力・引き出す力だと思います。仕事におけるファーストステップが、お客様の話を聞き、要望を引き出すことです。ここが間違っていると、見当違いの要望を仕入先に相談することとなり、結果的に多くの人からの信頼を失ってしまいます。」

「印刷用紙はまだまだ多く使われており、当社と取引のない新たなお客様を開拓していきたいです。一方、時代の変化に伴い、お客様の要望も変わってきていると感じます。だからこそ、お客様の立場に立って考え、印刷用紙はもちろん、それ以外の商材も含めて、求められるもの・必要とされているものを提案し続けていきたいです。」

当社の持つ強みと、自身の営業パーソンとしての傾聴力を駆使し、T.H.は顧客の課題解決を続けていく。

T.H.
営業部門
2009年入社
卸商・印刷営業本部

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