BUSINESS STORY #05機能材のプロフェッショナルの道を歩む

激しいマーケット環境

2010年代、スマートフォンをはじめとした高性能電子機器は世界に衝撃を与え、瞬く間に広がった。その後も技術の発展は目覚ましく、電気自動車や電子機器に用いられる部品は小型化・高性能化が進み、現在ではミリ或いはミクロン単位の部品の製造・供給がスタンダードとなっている。

機能材営業本部 機能材二部は、目まぐるしい変化にさらされる「エレクトロニクス」に関連する紙を扱う部署だ。普段の生活では見かけないが、紙は工業用途として、電子機器の製造工程で使われたり、梱包資材として使われるなど、多岐に渡るニーズがある。紙に特殊な加工をすることで、さまざまな産業向けに特化した紙製品が使用されており、Y.T.はこの分野のスペシャリストだ。

「一概にエレクトロニクスといっても、製品は多岐に渡るため、求められる紙の素材・スペックは全く違います。配属当初は、紙・エレクトロニクス両方の専門知識、さらには取引先が海外にも及ぶため語学力も含め、あらゆる知識の習得が急ピッチで求められました。小口案件も含めると10~20の案件が同時に進んでおり、範囲は広範です。全てを完璧に理解するのは難しいですが、仕入先・販売先双方のどのような話題にも対応し、迅速に回答できる知識の幅が必要でした。」

厳しい環境下ではあったが、元来新しい領域への挑戦が好きだったY.T.は、社内ネットワークを駆使した情報収集をはじめ、時には仕入先に教えを請うなど、主体的に行動を重ねた。結果、業務を通じた経験と、自ら動いて得た知識が徐々に蓄積され、機能材のスペシャリストとして力を蓄えていった。

仕入先・販売先を導く

さまざまな商材を扱ってきたY.T.だが、最も取り扱いが多いのがエレクトロニクスに欠かせない、特殊な機能を持つ紙だ。この紙は自動車の電装化や電子機器の高機能化に伴って需要が増えており、安価かつ利便性が高いことから、エレクトロニクスメーカー向けに市場規模を拡大している。

この紙にて、ある一件のトラブルが発生した。

「納品した紙に、異物が混入していました。エレクトロニクス製品は繊細なため、製品不良の原因となる可能性があることから、極めて小さな異物でも排除が求められます。エレクトロニクスメーカーとしては妥協が許されなかったのですが、製紙メーカーとしてはこれ以上の品質向上は難しいと考えており、両社の合致点を探す必要がありました。」

仕入先・販売先に挟まれ難しい立場だったが、Y.T.は双方に足しげく通い、意見を丁寧にヒアリングした。また、感情的なやり取りにもなりかねないため、傾聴だけではなく、Y.T.自身が持つ紙・エレクトロニクスに関する知見を基に、全員が納得する折衝案を考え会話を重ねた。結果、製紙メーカーが対応可能な範囲での改善策を見出し、エレクトロニクスメーカーの要望に応えることができた。このトラブルは、エレクトロニクスメーカーからの信頼を勝ち取る要因となり、結果的に更なるビジネス拡大に繋がった。

新たなビジネスへの挑戦

現在Y.T.は、新たな商売へのチャレンジを開始している。ターゲットは東南アジアの某新興国だ。

「エレクトロニクスの発展とともに、この商材はまだまだ未開拓の地があると考え、現在新たな市場にチャレンジをしています。この市場は全てゼロからのスタートです。私自身、この国に馴染みがなく想定外のミッションだったため、最初はとても驚きました。」

ゼロからのチャレンジとして、Y.T.は現地の日系企業・ローカル企業・外資エレクトロニクスメーカー向けに、電話やメールでの提案を日本から行っている。また、定期的な現地への訪問を通じ、徐々に新たなビジネスチャンスを見出している状況だ。

「過去に築かれたものがない以上、手探りで取り組む大変さはあります。逆に言うと、一切のしがらみがないので、自分が興味を持った商材で、取引先を開拓できる楽しさは何事にも代えがたいです。また、国内で懇意にしていたお客様からの紹介もあり、これまで築いた信頼が新たなチャンスにも繋がっています。」

「私は、現状を維持するだけではなく、何かに挑戦し続ける営業パーソンであることを意識しています。いずれは海外駐在員として、新たなビジネスを現地で創り上げていきたいです。」

Y.T.の挑戦は、プロフェッショナルとしての知識と経験を基に、世界を舞台に続いていく。

Y.T.
営業部門
2012年入社
機能材営業本部

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