BUSINESS STORY #06環境をビジネスに、新しいことへチャレンジする

次、お前は何をやりたい?

希望していた分野である環境事業部門にS.H.が異動し、半年が経つ。
環境事業部門は、再生可能エネルギー事業である太陽光発電やバイオマス発電をメインの柱として、廃棄物をエネルギー原料として販売する燃料事業、廃棄物処理事業、電力販売事業などさまざまな事業を手がけている。一言でいうと、一見価値がないものから新たな価値を生み出す仕事である。

大学では理学部に在籍しており、就職活動も環境に従事できる仕事を希望していた。
「学生時代は有明海の諫早湾で、堤防が原因となる水質汚染の調査をするために水質の定点観測を行っていました。データを重ねて予測・検証するのは楽しく、自然と就職後も環境事業に携わりたいと思うようになりました。」

商社で手掛ける環境事業とは?

しかし今、実際に当社で環境事業を手がけることになり、それまで漠然と抱いていた"調査・検証の周辺業務"というイメージとは大きなギャップを感じている。現在担当しているバイオマス発電会社に関する業務で言えば、原料の一部を輸入するための税関手続きから船への積み込みの立会い、そして財務諸表作成のための処理まで業務内容は多岐にわたる。もちろん彼が関わる何年も前のプロジェクト立案が最初であり、今後この会社が一人立ちするまでバックアップしていく。ひとつの事業が生まれ、成り立つまでの全般を請け負うことになる。
「自分がイメージしていたような狭い業務ではなく、商社ならではの全体を俯瞰する仕事、例えるなら自分達で会社経営をしているような感覚です。」

その広い領域の中で、燃料を管理して運ぶ「物流」のウェイトは大きい。
大学を卒業後、環境事業を希望していたが配属は物流部門。その後子会社化してからも計6年、彼は物流業務に従事してきた。大学卒業まで九州を離れたことがなかったため、全く土地感のない東京で物を運べといわれ、当初はかなり戸惑い苦労したという。しかし今はその経験が大きな糧となっている。
「物流というのはどんな産業でも不可欠であり、商社の要ともいえる部分です。物の流れの基礎はどの商品を扱っても変わりません。実際に現場と接して仕事をしてきたからこそ、物流現場の重みや痛みを分かった上で、今また物を蓄え・運ぶという仕事ができていると思います。」

セオリーがない中で構築していく

2016年より取り扱い始めたPKS(ヤシ殻)をバイオマス発電会社に原料として販売するのも彼の重要な仕事である。この原料は東南アジアから約1万tという大きな単位で輸入しており、必要なときに必要な量を安定供給する為に全てを適切に管理しなくてはならない。当社としても新しい取扱商品であるがゆえに、在庫管理の基礎となる運用ルールをイチから構築しているところだ。彼の6年の経験が生きる。

現在はPKS販売に加え、もうひとつの柱である既存の燃料事業を担当する中で、廃棄物を燃料として再生させる環境事業の基礎を学んでいる。"廃棄物"を「宝の山」と呼ぶ人もおり、これにどこまで価値を生み出せるかは奥深い仕事だ。基礎を身につけたうえで、やはり再生可能エネルギー事業の根本により深く関われるようになりたいという。

新たなエネルギー事業を発案して新会社を立ち上げ、独立させる。そこにはセオリーがなく、分かっているものが何もない中で全てを自分達で作っていかなければならない。担当取締役から現場まで、非常に密接でフラットな立位置で共に事業を興すのを肌で感じる。一方で次の事業の種を育てていかねばならず、先輩達からは常に「次、お前は何をしたいんだ?」と問いかけられる。上手く答えられないことが今は悔しい。

夢を語れるようになるために

「物流の経験は今の仕事に大きく生かせていますが、経営のための簿記の知識、貿易のための語学力、そして何より環境事業そのものの知識が全く足りません。今はとにかく勉強をして資格、知識を身につけて、自分も会社の立ち上げに最初から関わりたいです。」

「次、お前は何をやりたい?」
答えを持って、新しい事業を先輩達のように一から手がけたい、これが今のS.H.の夢だ。

S.H.
営業部門
2010年入社
環境・原材料事業本部

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