BUSINESS STORY #03商人として、世界を繋ぐビジネスを展開

中国マーケットの潮流を読む

日本紙パルプ商事グループの海外ネットワークにおいて、中国での重要な役割を果たす「日奔紙張紙漿商貿(上海)有限公司 上海総公司」に出向するY.S.は、中国マーケットでの商圏拡大に注力している。
中国における紙のビジネスは、製紙メーカーが紙の製造から販売までを一貫して取り組むことが主流だ。その為、商社は汎用的な紙を取り扱う余地が少なく、また汎用的な紙の販売は価格競争に陥りやすく商売としても旨みが少ない。そこで、商社が存在感を発揮するのは、現地の中でまだ見えないニーズを掘り起こし、特殊な紙をもって新たな商機を見出すビジネスだ。中でも、直近では脱プラスチックの大きな潮流があり、日本の環境配慮型製品に注目が集まっている。

「環境配慮に対するニーズが高まる現状において、日本からの様々な特殊素材、例えば紙製バリア素材、生分解性フィルム、バガスパルプモールド(サトウキビの非可食部を使用した製品)などの拡販に現在取り組んでいます。日本の高品質な製品は世界的に見ても競争力があり、今後の可能性を強く感じています。」

国境をまたぐ商流をコーディネート

Y.S.はある日、取引先の現地企業から、食品包装で使用している重袋(重い内容物を包装する袋)の構成を変更したいとの相談を受けた。具体的には、食品の劣化を防ぐ為に使用しているアルミ箔を、環境配慮の潮流に合わせて紙に変更したいという。詳細なヒアリングの結果、今回欲している紙の条件は①アルミと同等のガスバリア性(ガスの透過しにくさ)を持つこと②FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を受けていること③使用した製品を紙の原料として再利用した証明書が発行できることの三点だった。
これらの難しい条件が重なる中、Y.S.は対応できる製紙メーカーを探すことに着手した。情報収集の手段は二つ。一つは、自ら目星をつけたメーカーに一件ずつ問い合わせ、対応可能かを地道に調べる方法。もう一つは、世界中に拠点を持つ日本紙パルプ商事グループの情報網を駆使し、日本・中国に限らず世界中の製紙メーカーを対象として調べる方法だ。両方法にて情報収集に努めた結果、韓国の製紙メーカーであれば対応ができそうだという情報を入手することができた。
中国現地企業とのビジネスにおいては、スピーディーな応対が重要視されることが多い。スピードの大切さを心得ていたY.S.は、早速韓国の製紙メーカーとの交渉を開始した。

「韓国の製紙メーカーの窓口は、当社グループ会社Japan Pulp & Paper (Korea) Co., Ltd.が担っていた為、取引においては中国現地企業と当社、韓国製紙メーカーとJapan Pulp & Paper(Korea)が関与することになりました。その為、4社の連携をスムーズにすべく、細かく丁寧な対応を常に心掛けました。」
Y.S.は4社を取り纏める旗振り役として、試作品の製作や細かな条件の擦り合わせを粘り強く主導。幾度かのテスト・交渉を重ねた結果、最終的に成約に結びつけることができ、日系企業として韓国出荷→中国納品の国境をまたぐ紙のビジネスを纏め上げた。本製品は高い評価を得ており、別案件での問い合わせも受ける等、今後も更なる飛躍が期待されている。

世界で通用するビジネスパーソンへ

中国でのビジネスの魅力は何か。それは、顧客のニーズに合わせ様々な商材を扱うことができる自由度の高さと、世界中にある当社の海外ネットワークを駆使して商売ができる可能性の大きさだと、Y.S.は考えている。

「初めて取り扱うようなアイテムでも、自ら調べ、また人脈・社内のネットワークを駆使することで、世界中からお客様に最適な商品を提案できる点は、商社としてのビジネスの醍醐味を感じています。今後は環境配慮型製品を軸に、当社で柱となるような商材を作りたく、その為にも自身の価値を高めていきたいです。」
世界を舞台に日々成長するY.S.は、今後も新たなビジネスの創造に挑戦していく。

Y.S.
営業部門
2009年入社
日奔紙張紙漿商貿(上海)有限公司 上海総公司

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