BUSINESS STORY #07販売先と仕入先をつなぎ、必ず着地点を見出す

営業のサポートを一手に担う

販売先と仕入先の間に立って商売を行う商社。その商社である日本紙パルプ商事の中で、自社営業部門と仕入先であるメーカーの間で様々な調整を行う「仕入本部」という部署がある。営業部門も個々にメーカーと交渉を行うが、会社全体としてのメーカーへの交渉や商品の荷動きに関しては、この「仕入本部」がなくては当社の洋紙販売は成立たない。S.K.はここに所属し、業界最大手の製紙会社を担当している。

「メーカーに対しての在庫確認、営業部門からの注文を取りまとめての発注、その納期の交渉を行っています。しかしそれら一つ一つの業務だけではなく、全営業のサポートを一手に担うのが自分の役目だと思っています。」
そのひとつとしてメーカーとのやりとりの中から情報を集約し、自社営業部門にフィードバックするのも仕入の大事な仕事である。そのために重視しているのは人間関係の構築であると彼は言う。
「業界最大手メーカーのマネージャークラスの方が交渉相手であることも多く、経験差・年齢差がある中で対等に交渉するための関係作りが求められます。私を信頼してもらえるように務め、相手が本音で商売をしてくれるようにならないと、質のいい情報をひき出すことはできません。」

人間関係の構築と相手ニーズの把握が重要

また一方で社内の営業部門の社員も自分にとってはクライアントであり、彼らの個々のニーズを見極めないと適切な対応はできない。同じ日本紙パルプ商事の営業部門でも、部署によって彼に求めるものは違う。
「特定の商品を必ず用意しなくてはならない部署には、サイズ違いや納期交渉などを含めコストがかかっても要望を満たせる案を提示します。また、逆に顧客がスピードを求める部署であれば、類似品を含めた商品を紹介し、何とかその商売を手にできるように最速で条件を整えることを重視しています。」
社内の営業パーソンの、その先にいる顧客のニーズをきちんと把握することでそれぞれの仕事の本質を掴み、効果的な対メーカー交渉が実現しているのだ。

「5年経って社内・社外共に私指名で大口の仕事の依頼が来るようになって、認められてきているんだなとやりがいを感じています。」

しかしメーカーと営業部門の間に入っての調整業務。人間関係が構築できたとしても、板ばさみの苦労はないのだろうか。
「正直、板ばさみになることばっかりですね。それでも両者の立場をしっかり理解して受け止め、その上で自分のスタンスを誠意を持って伝えていくしかありません。どちらかに頭を下げなくてはいけない場面も多いですが、双方が納得できるような着地点を"必ず"提示することが大切だと思っています。」

課題解決に向けて出来ることを全てやり切る

ある営業部署の年一回の大口案件を担ったことがある。大型トラック20台分もの紙を北海道の工場から船で関東に運び、そこから陸送しなくてはならず、非常に綿密な運搬のスケジュールを組み立てることが彼に欲求された。しかし顧客側からはなかなか納入時期や数量の確定がもらえず、一方メーカーは生産したら早く工場から出荷してしまいたいと要求する。それぞれの要望と現実が折り合わない。一歩間違えば多大なコストを被るか、納期に間に合わず最終製品の仕上りに影響がでてしまう。
彼は両者への交渉を粘り強く続け、根回しと幾通りもの解決策を提示し、上手くいかなかった場合のセーフティーネットを幾重にも張り巡らせた。結果的にはぴたりと納期どおりに運搬を終えることができ、来年の継続受注への道をつなげた。
「当然の仕事をしたまでなので、誰かから褒められるわけではありません。しかしこういった大きな案件の成功に寄与できるのはやりがいを感じます。営業担当部門なら自分の得意先の仕事しかできませんが、仕入ならばいろいろな案件に関われるのも面白いですね。」

もうすぐ丸5年が経ち、中堅の立場での部下指導も行っているS.K.。現在の部署には既に後輩が二人いる。彼らには「両者の立場に立った上で、要求をそのまま橋渡しすることなく、独自の情報を使った【ストーリー】を作って交渉することが大切だ」と伝えているという。

今後も中堅社員として、より一層の活躍が期待される。

S.K.
業務部門
2014年入社
仕入本部

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