環境原材料事業の現状

古紙再資源化事業においては、2017年にグループ会社となった福田三商を中心に、日本全国をカバーする古紙回収ネットワークを構築、古紙の調達・供給体制の強化を進めています。また、海外においてもネットワークの拡大を図るなか、2018年にはインドでOVOL Fibre Solution Indiaが営業を開始しました。

古紙だけではなく、2022年4月から施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)」に代表される脱プラスチックの動きを先取りし、廃プラスチックを再利用する総合リサイクル事業にも取り組んでいます。エコポート九州では、企業や地域から排出された廃プラスチックを受け入れて選別し、原料へと再生する「マテリアルリサイクル」と、原料ではなく固形燃料として再利用することができる「サーマルリサイクル」の2つを組み合わせることで、効率的な再資源化を実現し、循環資源の有効利用と枯渇資源である化石燃料の使用抑制を推進しています。

さらに、安全で環境負荷の低いエネルギーへの社会的要請に対し、化石エネルギーに替わり国内で調達可能かつ再生可能なエネルギーとして、太陽光・木質バイオマスによる発電事業に取り組んでいます。2018年にはバイオマス燃料ビジネスの強化を目的として、マレーシアにおいてOVOL New Energyを設立。木質バイオマス発電の燃料であるPKS(アブラヤシの実の種殻)の集荷と日本などへの輸出を行い、当社グループ内外の木質バイオマス発電所へ供給しています。

日本紙パルプ商事が実現する循環型社会

日本紙パルプ商事グループでは、使命として掲げている「社会と地球環境のよりよい未来を拓くこと」の実現に向け、循環型社会の構築を目指し、事業を展開しています。製紙原料として重要性が増す古紙の再資源化事業と、原料に古紙を使用する製紙事業が連携して「資源の循環」に貢献する一方、「エネルギーの循環」では、再生可能エネルギーによる発電事業を進めています。