デジタル化が当社グループに与える影響には大きく2つあります。まず、当社グループの主力事業である紙卸売事業は、デジタル化の進展や人口の減少に伴い、グラフィック用紙の継続的な需要減少に直面しています。この分野における紙の需要が大幅に回復することは想定しづらい一方、紙には一覧性や、物理的に「モノ」としての存在感・手触り・作業性などの特長があり、デジタルメディアとの共存は十分可能であると考えています。
一方、OVOL 長期ビジョン2030の実現に向けては、デジタル技術を活用した強靭な経営体制を構築していくことが必要不可欠です。BCP(事業継続計画)の観点から2023年度よりDX推進室を新設し、グループIT 統制活動を始動していますが、それに加えて、多角化するグループ事業においては、より一層のシナジーを生み出していくために、グループ全体でのデータガバナンスの仕組みを構築し、DX推進による生産性の向上とエネルギー利用効率化を実現することが重要だと考えています。この取り組みを通じて、グループ各社の強みを共有し活用する「組織力」をより一層強化し、新たなビジネスチャンス創出の原動力にしていきたいと考えています。